純白のパナソニックのクロモリフレームかと思いきや、微妙にグレーにグラデーションしていて、人間性を表すようです。マモル君。今年で30ズです。

このフレームは2年前に購入。デリバリーに使うようになったのは最近で、それまでに5台ものチャリを乗り継いできています。

例えば、赤いバッタリンのロードバイク。例えば、ゴミ捨て場から拾ってきたトマジーニのフレーム。

オークションで競り落とすのが定石で、しかし、しばらく乗ると、または手元に届くと右から左に後輩メッセンジャーに落札額と同額で譲り渡す、関所の番人的、またはやり手オークショニスト的な存在なのです。

そんな彼はロードバイクを主に乗り継いできたのですが、何故にピストに乗るのか・・・もちろん流行にあらず。軽いギアをくるくる回していた彼はある日、スピードという欠点を指摘されます。それまで楽な方向に向きがちだった彼は意識改革を断行。そのヘタレ根性矯正の為に固定ギアに乗り換えたのです。

それ以来、スピードと根性を手に入れた彼は、今やマスターメッセンジャーとして最前線に立つ存在になりました。

メッセンジャーになったきっかけ。故郷の徳島を18歳で出た彼は、美容専門学校に入学。しかし美容師にはならずに、新宿の某ハンバーガーショップで働きだします。20歳。それから4年後には渋谷等の店舗で店長になり、店の全てを仕切るようになりました。しかし彼は人間関係等の問題に悩まされるようになります。焼くのはハンバーガーだけじゃなく、人の世話もかい・・

27歳の時、ハンバーガーショップを辞め、使われる側の人間になりたい希望から、そして経験を積み、心技体の「心」「技」には自信を持てるようになった自分に足りないもの・・「体」を鍛えるため、ティーサーブのドアを叩いたのです。

それから4年が経とうとしている現在、彼はネバーランドにいるような感覚のなか、毎日丸子橋を渡って出勤してくるのでした。